イカ専 10Foot

私にとってのエギングの魅力。それは自分がアクアラングを背負って、水中にいるかのごとく、海中の風景をイメージして釣りができることです。エギを操っているときの私の頭の中には、水中の様子が3Dになってイメージが膨らんでいます。もちろん、見えイカ狙いのサイトフィッシングもやりますが、私が好きなのは、すべてが目で見えている状況ではありません。自分が想像した通りの場所とタイミングで釣れたときに、気持ちよさを感じるのです。究極をいえば、私の場合は釣れなくても、エギを思い通りにアクションさせられれば気持ちよさを感じます(そのためにエギテンQの開発には、操作する楽しみを追及しました)。
エギングはルアーフィッシングとは異なり、使うのはエギだけです。バスやシーバスフィッシングのように、ペンシルベイトやミノー、バイブレーションやジグなどといった選択肢はありません。そういった点に面白味を感じないアングラーもいることは事実です。エギングでは、ラインの先にはエギだけというシンプルな仕掛けで、任意のレンジを泳がせ、アクションさせて抱かせる。そういったひとつひとつのアクションを、アングラーが演出してあげなければなりません。
想像と現実がリンクすると釣果に繋がるエギングの世界。私にとっては“イカはエギで釣るのが一番楽しい!”。そういった想いが強くあります。

イカ専ブランド、10FOOTとは

現在、エギングはスポットの開拓やタックルの進化によって、多くの人に愛される釣りになっています。その一方で新子の乱獲によって個体数が減少し、親イカになると老獪になり、より釣るのが難しくなっているという現実もあります。そのため、私たちは現状のタックルに満足することなく、エギングに特化したギアの必要性を強く感じています。そういった最先端のエギング製品の開発を現実に近づけたのが、アパレル業界に22年携わり、現在は(株)オレンジブルーで企画、営業をしている私の経験でもありました。いいものを作るのには、その工程を熟知していなければなりません。現状のギアでは満足できなかったひとりのエギンガーでもあり、メーカーの人間として、これは人生を賭けたチャンスでもありました。
そうして私は、エギング専門のブランドとして10FOOTを立ち上げました。今までのフィッシングギアでは満足できなかった部分を改良し、エギンガーのために意見を収集し、エギンガーのために開発を行ってきました。

盛期の釣行でシャクリソデを考案

20年間の釣行で、欲しいものは数限りなくありました。その中でも一番の必要性を感じたのが、エギング用のレインウエアです。越前海岸において、イカのトップシーズンは5〜6月と9月〜11月です。この時期の天候は不安定で、雨の中の釣行がかなりの割合を占めます。ちなみに、イカは真水を嫌いますが、大雨ではない限り、私の経験上、晴天時も降雨時も釣果に差はありません。むしろ雨の日はエギンガーの数が少なくなるので、チャンスと思って釣行を重ねていました。
雨で一番ツライのは、レインウエアを着てのシャクリです。一般的なレインウエアでは難しく、フィッシング用としてキャスト時のことを考えて、腕の部分のデザインを考えているレインウエアであっても、シャクリの動作を考えた設計にはなっていません。
シャクリを考えたレインウエアの理想は、腕の可動部に余裕があることはもちろん、ロッドを高く持ち上げたときに、ソデ口から雨が浸み込んでこないことでした。そういった点に注目し、10FOOTでは“シャクリソデ”を考案することで、エギ専用のレインウエアとしてリリースしました。
また、エギングのスタイルには、大きく分けて“ラン&ガンスタイル”と、“回遊待ちスタイル”があるので、それぞれのスタイルにマッチするバッグを開発しました。最小限のタックルを持って撃ちまくるラン&ガンスタイルのエギンガーのためにはエギワレット。その上の収納力を求める人にはヒップバッグ。ショルダーバッグ派には、ヒップバッグと同等の収納力があるショルダーバッグのMサイズを作りました。
回遊待ちスタイルのエギンガーのためには、磯場や消波ブロックをメインのスポットと想定し、より安全性を高めたライフベストに17kgという大容量を確保した、エギンガーのためのライフベストを開発しました。ショルダーバッグ派のために、収納力をアップさせたショルダーバッグのLサイズも作りました。
さらに、ハードな場所を歩くときに足元をかためるため、磯やコンクリートをつま先で蹴っても痛くないように考えたスパイクブーツ、滑りやすい堤防での使用も考えたフェルトスパイクブーツ。アクティブにスポットを駆け巡るエギンガーのために、フェルトスパイクシューズも開発しました。

越前海岸のモンスターを釣るために

私にとっての目標の1つは、越前海岸で3kgオーバーのアオリイカをキャッチすることにあります。私が知っている限りでは、今年の越前海岸では、知人が1匹このイカを釣っています。ただ、越前海岸で長年エギングをしている人でも、3kgを越えた個体をキャッチした人はほとんどいないと思います。
来年の春、私はモンスターを手にするために越前海岸に通っているでしょう。その釣行は、末席ながら釣りの業界に身を置いているので、開発途中である製品のフィールドテストになることはもちろんです。ただ、“テストをしなければ”という気持ちがすべてではなく、“これだけのイカ専ギアを身に着けているのだから、モンスターを手にできないはずがない”という気持ちがあるのも事実です。もちろん私だけでなく、誰もがそんな気持ちになれるのが、10FOOTのイカ専ギアだと思っています。

釼持浩二

漫画「釣りキチ三平」の影響を受け、淡水魚の王様、コイを追って少年時代を過ごす。その後は渓流のルアー釣りに傾倒し、誰もが触れたバスフィッシングには見向きもせず、エギンガーへの道を歩む。20年前のタックルは投げ竿→シーバスロッド。ラインはナイロンの5号に漁師愛用のエギだった。イカ独特のグイーングイーンという引きが病みつきになり、偏光グラス越しに薄っすらと見える海中を3Dに置き換えて想像し、エギを泳がせるエギングに魅了される。18歳でアパレル業界に身を置き、4年間ニットを学び、その後18年間化学繊維に関して学び、現在はフィッシングアパレルメーカー(株)オレンジブルーで企画・営業を行っている。イカのトップシーズンはエギングオンリーだが、オフシーズンには渓流のルアー釣り、チヌのダンゴ釣りを楽しむ。得意のエギングスタイルは、エギテンQの3.5号を駆使した、モンスター狙いの回遊待ち。現在、モンスターをキャッチするため、エギテンQの新色を開発中。
夢は越前海岸で3kgオーバーをキャッチすること。
口癖は「乗るか反るか」。
1969年生まれ。福井市在住


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